
「ランラン、なんなのよ、そのブサイクな顔は?」
涼風の問いかけにランランはなにも答えず、睨むように涼風を見ている。
「ちょいと怖いんだけど…なんなのよ?」
顔を反転させて右隣のランランの顔を眺めた三四郎は、小さく、うーと唸ってるランランに気がついた。
「どうかしたのですか? お腹痛いんですか?」
「ママー、なんなのよ?じゃねえよ」
ランランは奥歯を噛み締めながら低い声で呟いた。
「それオレだから」

「なによ、オレだからって?あんたの言葉には動詞がないのよ、わからないわよ」
「東京駅。ショートケーキ、それオレだよ!」
涼風と三四郎は顔を見合わせながらランランがなにを言っているのだろうと首を捻った。
「サッパリわかんないんだってばさー。酔ったの?あんた、お酒弱くなったわねー。じゃあそろそろお開きの時間としましょう、マスターお会計お願いね」
「だからー涼風さんがその奈緒美さんつーう人と東京駅にいたとき、男とぶつかりました、ショートケーキ床に落ちました、それオレなんですってば!」

「・・・」
令和2年7月24日