「あのとき、麻巳子が地方での仕事から帰ってくるつう噂が飛んできてオレたち親衛隊は東京駅で張ってたんです。いくら待ってても来ないし、ガセ情報かとなったんだけど、そんなことはないって。そんでオレ、疲れて帰ってくる麻巳子のためにショートケーキを買いに行ってたんです、そしたら帰ってきたぞーってなって、オレは急いでケーキを箱に入れてもらって走って、そしたら、目の前にヌボーとしたワケわかんない兄ちゃんが立っててドンってぶつかって、ショートケーキばしゃって落ちて、そんで『なんだよー』って叫んだのオレだから!」
「ええー」
「うわ…すごいです、涼風ママとランランさん、そこで会ってたんですねー」
「ねえ〜繋がってたのね〜私たち。人生いろいろね、島倉千代子よ」

「そんなことはどうだっていいんだよ、問題は麻巳子のケーキだよ」。ランランは声を荒げた。
「うっさいわね〜。ハイ聞きます、マミコって誰なのよ?」
「おーっととと、そうきますか。高井麻巳子!おニャン子クラブ、会員番号16。あのときのオレの青春の人、今は秋元康の奥さん、くそおー。そんなこともどーでもいいんだ!あの人は間違いなくあのときのオレの青春のアイドル!高井麻巳子」

令和2年7月25日