ガッキーは、先ほどまでの落ちこみは何処にやら、収集した情報を得意満面に、似ていないモノマネを混ぜながら話をしている。
得意顔のガッキーの話は絶好調だ。かなりの脚色を入れながら才蔵とアロハをグングンと引きこませている。
「で、で、でー謎の数字の100。これだよね、これが気になるんだよね」
「そう、それが気になってんだよ」、才蔵が喰いつく。
「不思議だよね〜この数字。なんだと思〜う、へへ」
「そんなクイズ形式いらねえんだよ、早く教えろよ」
才蔵は語気を荒げた。
「ハイ、すみませんでした。100話で終わるということです」
「終わるって…この物語が終わるってことなんですか?」。
アロハが焦るように聞き返した。
「ハイ大当たりー」
嬉しそうに叫んだガッキーは、またまた調子にのって「その理由はどうしてなのでしょうかぁ〜」とクイズ形式の出題をした。
「理由?理由があるのかよ」、才蔵が聞いた。
「あれー?えー?」
素っ頓狂な声を出したアロハが
「うそでしょう…その理由って、もしかして…」
「おおー。アロハのその顔、わかったのかなー」ガッキーはノリノリだ。
「なんだよ、理由って、アロハ教えろよ」、才蔵は急かした。
「もしかして…」
「もしかして?」
「『100日後に死ぬワニ』の真似?」
アロハは、恐る恐るとガッキーの顔を窺い見た。
真顔のガッキーはニコリと微笑むと。
「ご名答ぉぉぉぉぉぉー」
「ハイ、それではその時の様子をどーぞ」
と、はしゃいだ。
ガッキーの話に才蔵とアロハは息を飲んだ。
憔悴した二人の顔を楽しむようにガッキーは弾んでる。
「ばかだ…。そんな理由なの?」。才蔵は愕然となった。
「つか、ゾウじゃねえし、ワニだから。あのババア、IQ低っ…」。アロハは腐るように言葉を吐き出し、続けて「この大事な情報を浮かれて話すガッキーさんの頭もどうかしてんな」と睨んだ。
令和2年8月4日