涼風せいらは夜の六本木を颯爽と歩きながら
「あ〜今夜は喋りすぎちゃった。」
「これ以上はダメよダメダメ、人間は秘密があるほうがいいのよ、フフフ」
とネオンと人波に消えていった。

【終わり】
令和2年7月29日
タクシーに手をあげようとした涼風の手首を人波からヌゥーと現れたゴツゴツした手がムギュッと掴んだ。ヒッと振り返った涼風の目の前にアクア九条が立っていた。
「あんた、ひとり逃げは許さないわよ。あたしとのケリはついてないのよ、チケット一枚譲りなさいよー」
